オシムさんの心持ちを想像して書きました。あくまでも、自分を無理やり納得させるための文章で、本人のコメントではありません。でも、ジェフファンの人と少し共有したいので、アップします。好きな人だけ読んでください。
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日本に初めて来たのが1964年の東京オリンピック。近代的なビル群、カラーテレビの普及には驚いた。また、見ず知らずの自分に言葉をかけ、家に招き入れて梨を振舞ってくれた日本人のホスピタリティにも心を動かされたものだ。経済、文化、人々の気質を含め、日本には良いものがたくさんある。
その日本の代表監督のオファーが来た。発表の仕方、チームを飛び越えたオファー等々、アプローチに問題が残るが、どんな国でも権力のトップに就く連中がやることは大体こんなものだろう。今回の責任者は、東京オリンピックのピッチで共に戦った川淵だ。彼にもいろいろ問題はありそうだが、これだけオーガナイズされ、欧州に匹敵する環境を10数年で整えた実績には敬意を表さねばならない。ただ、日本のサッカーは、商業的な側面がサッカーそのものの発展を上回ってしまっているように見える。これはサッカーにとって極めて危険なことだ。
欧州は地域が主体で、地域の集合体が国家だ。でも日本は違う。同じ考えを持つ単一の民族だけで国家が形成されている。サッカーで言えば、欧州は、地域毎のクラブに人々の関心を惹きつけ、そのクラブを強化することが、代表チームの発展につながる。しかし、日本のように単一民族、単一国家の場合、極論すると代表チームだけが人々の関心を集めることができる唯一の存在なのかも知れない。日本の場合、代表チームが強いとクラブへの関心が高まる。ジェフで言えば、巻が代表に選ばれた途端に取材が増える、ということ。つまり、代表チームを強化することがクラブの発展につながっていく。これはどちらが先にあるべき、後にあるべきということではなく、その国の歴史、文化、人々の気質に則して考えるべきものだろう。
自分にとって、サッカーに直接的に関わりを持てる時間は少ない。もう2~3年程度しかないかも知れない。極論すると、自分にとっては、失言や契約期間云々を問題視している時間はない。また、代表監督就任への期待もどんどん高まってしまう。この状況で代表を断ってジェフの監督を続ければ、ジェフの立場はどんどん悪くなっていくだろう。代表もジェフも断ってしまう選択もあるが、これは問題が大きくなるだけで、却って日本サッカーの発展を阻害することになってしまう。
ジェフでの3年半の期間は、本当に興味深いものだった。自分のノウハウをプレイヤーたちが学び、成長してくれたことが何よりも一番嬉しい。良いプレイヤーに恵まれ、良いサッカーできる環境にも恵まれた。新しいスタジアムが完成し、観客も少しずつ増え始めた。スポンサーも増えつつあると聞く。祖母井さんもビジョンを持ってチーム作りに取り組んでいる。そして、ジェフには、新たな発展への兆しが芽生えてきている。良いプレイヤーが居て、良いGMが居て、素晴らしいファシリティがあって、良いサポーターが居る。今回、この話しが無ければ、ジェフと一緒に人生を送る結果となっていたであろう。ただ、現実は代表監督就任のオファーを聞き、国全体の期待も高まってしまっている。ジェフと取り巻く人々の期待に応えていくことも重要だが、こうなった以上は、思い切って変えていく方が良いのではないか。
好む好まざるに関わらず、自分は代表監督のオファーを受け入れるべきではないか。素直に物事を吸収、咀嚼し、それを組織的に昇華できるのは日本人の特性。その特性を活かした日本人に合ったサッカーを追求する。ジェフに向き合った時と同じ信念で日本代表チームを強化し、そのエッセンスをクラブへ還流させていく。そして、自分が去った後も、自分のノウハウに新たな観点を加えて実践に結びつけることができる日本人指導者を育成し、彼らが、代表だけでなくクラブ、ユースも指導していく。ジェフと同じように、今度は日本サッカー全体が学んで、成長してくれたら・・・。
それは素晴らしい人生ではないか。
それは挑戦的なテーマではないか。
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